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「40代・50代からの転職は難しいのでは」。しかし、実際はミドル・シニア世代と呼ばれる40~50代の転職者は年々増えており、企業から貴重な即戦力として迎えられる事例も決して少なくないのです。新しいキャリアの可能性を探すために、以下のオプションをご覧ください。
「40代・50代からの転職は難しいのでは」――そう悩んでいる方も多いかもしれません。しかし、実際はミドル・シニア世代と呼ばれる40~50代の転職者は年々増えており、企業から貴重な即戦力として迎えられる事例も決して少なくないのです。かつてささやかれていた「転職35歳限界説」は、今や過去のものとなっています。
今回は転職や再就職でセカンドキャリアを目指す方向けに、ミドル・シニアの転職事情を分かりやすく解説します。ミドル・シニアが求められる理由や転職成功のポイントも紹介しますので、参考にしてみてください。
●ミドル・シニア世代の転職者は年々増えている
少子高齢化や人生100年時代といった社会の変化を受けて、ミドル・シニア世代の転職者数は年々増えています。
総務省の調査(※)によれば、45~54歳の転職者数は2012年時点で「40万人」でしたが、2022年には「54万人」に増加しました。同様に55~65歳の転職者数は2012年の「38万人」から、2022年には「45万人」まで増加しています。一方で15~44歳の転職者数は減少し、転職者数に占める45歳以上の割合は年々高まっている状況です。転職市場の主役は、若年層からミドル・シニア層へ徐々に移り変わっていることがうかがえます。
●ミドル・シニア人材が転職を決意する動機とは?
ミドル・シニア世代の転職者数が年々増加していますが、ミドル・シニア人材はどのような動機から転職を決意するのでしょうか。本章では、ミドル・シニア人材が転職を決めるときの主なきっかけについて紹介します。
役職定年・早期退職を機に、活躍の場所を変えたい
近年は終身雇用が少しずつ崩れはじめ、役職定年や早期退職優遇制度のような人事制度を設ける企業も増えてきました。そのため、ミドル・シニア人材のなかには役職定年を迎えたり、早期退職の応募が始まったりしたタイミングを"好機"ととらえ、セカンドキャリア転職を決意する人も増えています。「ワークライフバランスを重視した働き方をしたい」「新たなキャリアを考えたり、スキルアップを目指したりする機会にしたい」という想いで、転職を決める人も珍しくありません。
U・Iターンして、地元に貢献したい
ミドル・シニア世代のなかには、親の介護や看護などをきっかけに、地元へ戻ってセカンドキャリアを始める人も少なくありません。都市部から地方へ活躍の場を移すことで、生活コストを抑えられたり、地域とのつながりを大事に生活できたりするのがメリットです。「培ってきたスキルを地域貢献に役立てたい」「人生の後半は慣れ親しんだ土地で過ごしたい」といった想いから、U・Iターンで地場の企業へ転職・再就職する人もいます。
※U・Iターンの転職事例について詳しく知りたい方は、『ネクストキャリア ~I・Uターンの視点でヒントを得る~前編』もご覧ください。
「人生で本当にやりたかった仕事」に挑戦したい
現在は人生100年時代ともいわれ、キャリアの現役期間は以前より延びています。そのため、今後の長いキャリアを見据え、人生後半戦へ差しかかるタイミングで"本当にやりたかった仕事"に挑戦する人もいるでしょう。ミドル・シニア層は子育てが落ち着き、支出の負担が比較的和らぐ世代でもあります。収入に対する優先順位をやや下げたうえで、「後悔のない人生にするため、自分の心が動く仕事をしたい」と転職を決断する人もいます。
●ミドル・シニア人材が企業から求められる3つの理由
ミドル・シニア人材の転職件数が増えている理由は、決してミドル・シニア人材側の転職意欲が高まっているからだけではありません。実は雇用者側である企業のミドル・シニア人材に対する採用需要も、年々増加している状況なのです。そこで本章では、ミドル・シニア人材が企業から求められている3つの理由について解説します。
若手人材の不足で、採用の裾野が広がっているから
転職市場では、今でも若手人材の採用需要は根強くあります。しかし、少子高齢化の影響で若年層の転職者は年々減っており、企業側は若手の採用が難しくなっているのが実情です。その点、ミドル・シニア世代の転職者数は増えているため、企業側は貴重な人材を採用しやすい状況といえます。また、企業によっては年功序列から成果主義の賃金制度に移行し、年齢と給与の紐づきが薄くなっているケースも珍しくありません。つまり、企業側は年齢の高い人材を雇うデメリットが和らぎつつあるため、ミドル・シニア人材の採用に意欲を見せているのです。
アフターコロナで即戦力が必要だから
近年は新型コロナウイルスの影響で、事業が停滞してしまった企業もあります。しかし、直近ではアフターコロナで徐々に経済活動が回復しつつあり、各社とも採用を活発化させている状況です。企業が事業活動をスピーディに再開させるには、一定の専門スキルを備えた即戦力人材が必要になります。その点、ミドル・シニア人材はすでに豊富な経験を積んでいるため、企業が教育に時間をかける必要がありません。企業にとってミドル・シニア人材は非常に貴重な戦力となりうるので、「即戦力なら年齢はほとんど関係ない」という企業も増えています。
新興企業で"経営人材"が不足しているから
近年は多くのスタートアップやベンチャー企業が、IPO(新規株式公開)へ向けて準備を進めています。国としてもベンチャー支援施策を掲げており、採用の活発化が見込まれている状況です。しかし、こうした新興企業は若年層を中心に構成されていることが多く、経験豊富なミドル・シニア人材が不足しています。特にIPOに向けては経営基盤を十分整える必要があり、多様な知見を持ったベテラン人材の存在は欠かせません。そのため、経験豊富なミドル・シニア人材が、CxO(Chief x Officer)のような役職として迎えられる事例も増えています。
●ミドル・シニア人材がセカンドキャリア転職を成功させるコツ
ミドル・シニア人材がセカンドキャリアに向けて転職を成功させるには、具体的にどのようなことを心がければいいのでしょうか。本章では、ミドル・シニア人材が転職活動で意識すべきコツ・ポイントを紹介します。
自身の強みを言語化できるようにする
ミドル・シニア人材は豊富に経験を積んでいるぶん、自分のアピールポイントが見えにくくなってしまいがちです。そのため、事前に自身のキャリアを一つひとつ丁寧に振り返り、強みを端的に言語化しておきましょう。また、企業によってミドル・シニア人材に求めている役割や能力はさまざまです。応募先の仕事内容や募集背景をよく研究したうえで、「入社後どう貢献できるのか」をひと言で説明できると、評価も高まりやすくなります。
優先したい条件・妥協できる条件を整理する
ミドル・シニア人材の転職では、企業側の選考基準が厳しくなるため、必ずしもすべての条件がかなうとは限りません。特に給与に関しては、下がる可能性もあることを覚悟しておく必要があります。だからこそ、事前にセカンドキャリアにおける優先順位を整理し、「実現したい条件」や「妥協できる条件」を明確にすることも大切です。優先順位が決まっていれば、企業選びがスムーズになり、転職活動が長期化するリスクも避けられるでしょう。
できるだけ多くの転職サービスを活用する
若手人材向けの求人と比べると、ミドル・シニア人材向けの求人は相対的にまだ多いとはいえません。ミドル・シニア人材が希望に近い転職先を見つけるには、できるだけ多くの転職サービスを活用することが肝心です。具体的には、ミドル・シニア向けの転職サイトや転職エージェント、登録型ヘッドハンティングサービス、ハローワークなどがあります。幅広い求人に出会えるよう努力することで、転職成功のチャンスも広げられるでしょう。
※ミドル・シニア人材の転職活動について詳しく知りたい方は、『再就職で「選ばれる」中高年の特徴とは?【次のキャリアに悩む方へ】』の記事もご覧ください。
●ミドル・シニア人材が転職後の職場で長く活躍するためには?
人生100年時代といわれる今、転職をゴールにするのではなく、転職後の長期的な活躍を見据えておくことも大切です。そこで本章では、ミドル・シニア人材が転職後の職場で長く活躍するためのポイントを紹介します。
過去のやり方にこだわりすぎない
ミドル・シニア人材は他社での経験が長い分、過去のやり方やノウハウにこだわりすぎてしまうこともあります。しかし、新しい職場における業務の進め方やルールを拒絶してしまうと、周囲とのトラブルにつながり、逆に仕事を進めにくくなるでしょう。そのため、転職後は柔軟性を大事にして、新しい職場のやり方や風土を積極的に受容することが肝心です。同僚たちとの信頼関係を築くことが、長期的な活躍に向けた第一歩といえます。
年下上司とのコミュニケーションを大切にする
ミドル・シニア人材の場合、新しい職場では上司が自分より年下というケースも起こりえます。その際、年上としてのプライドから、やや敵対的なコミュニケーションをとってしまう場面もあるかもしれません。しかし、大切なのは年下上司にも敬意を持って接し、良好な関係を築くことです。例えば、上司への報告や連絡を徹底したり、わからないことは素直に上司へ聞いたり、自分から積極的に会話の機会を設けたりするのもポイントといえます。年下上司にとって接しやすい雰囲気になるよう心がけることで、業務を円滑に進めやすくなるでしょう。
今後のキャリアを見据え、学び直しを続ける
現在はVUCA時代ともいわれ、社会が目まぐるしく変化している状況です。今後の長いキャリアのなかで、革新的なデジタル技術が登場したり、業界のルールや業務の進め方が根底から変わったりすることもあるでしょう。だからこそ、新しい変化を敏感に察知し、積極的に学び続ける姿勢を持つことが肝心です。普段から学び直しのクセをつけておくことで、変化に強い人材になり、中長期的に見て安定したキャリアを築きやすくなるでしょう。
●ミドル・シニア人材の活躍領域は、今後さらに広がっていく
アフターコロナで即戦力が必要とされる今、ミドル・シニア人材は転職市場で一目置かれる存在になりつつあります。今後は少子高齢化や成果主義の流れを受け、経験豊富なミドル・シニア人材の活躍領域は一層広がる可能性が高いでしょう。転職における年齢の壁は、崩れつつあります。また、キャリアの現役時代が延びているからこそ、転職・再就職をゴールにするのではなく、入社後の長期的な活躍も意識することが大切です。人生100年時代の後半戦に向け、自身のキャリアをあらためて棚卸しし、今後の方向性を整理してみてはいかがでしょうか。