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新社会人になるのをきっかけに、1人暮らしを始める人は少なくありません。1人暮らしは想像以上にお金がかかり、深く考えずにお金を使っていると、生活が立ち行かなくなってしまうこともあります。大切な給与を無駄遣いせず、出費を抑えることが大切です。ここでは、1人暮らしで支出を減らす方法や、節約の目安などをご紹介します。
1人暮らしの平均的な支出から、節約の目安を考えよう
1人暮らしを始めたばかりの頃は、何にどれだけお金がかかるのか感覚をつかむことが難しく、無駄に出費してしまうケースも多いです。では、同世代で働いている1人暮らしの人の平均的な支出はどのくらいでしょうか?
政府統計の総合窓口e-Statで、家計調査のデータベースから2021年のデータを抜き出してご紹介します。
■勤労世帯のうち34歳以下の単身世帯1ヵ月の支出
品目 | 金額 |
---|---|
食料 | 35,801円 |
住居 | 34,913円 |
光熱・水道 | 7,655円 |
家具・家事用品 | 7,050円 |
被服および履物 | 6,604円 |
保険医療 | 4,718円 |
交通・通信 | 20,068円 |
教養娯楽 | 18,697円 |
その他消費支出 | 20,476円 |
上記表は、1人暮らしで34歳以下の平均支出の金額です。自分の支出と平均的な支出を比べて、どの程度の差があるのかを確認しましょう。住居費は、実家暮らしや会社の寮に住んでいる人も含まれるので、少なくなっているため注意してください。住居費以外は、自分の支出が上記表の金額より多ければ、その項目は1人暮らし平均よりは使いすぎと考えていいでしょう。
この表を参考に、平均より支出が多い項目については、減らせるポイントがないかを考えてみましょう。
出費を抑えるための第一歩は支出を知ることから
節約と聞くと、「とにかく使うお金を減らすこと」と考える人も多いですが、ただ我慢をするだけの節約は長続きしませんし、効率的とはいえません。大切なのは、支出の状況を把握したうえで、無駄な支出を減らすことです。
それでは、生活費の管理におすすめの方法をご紹介します。
家計簿をつける
出費の管理をする際に効果的なのが、家計簿をつけることです。まずはざっくりと出費の流れを把握することを目標に、「判断に迷う費用は雑費にまとめる」「1円以下は切り捨てて計算しやすくする」など、できるだけ負担感を減らしてつけていきましょう。
家計簿はノートでもExcelでもアプリでも、自分が手軽に思える方法なら何でも構いません。特にアプリの場合、入力が簡単でレシートを撮影するだけで購入情報が記録できたり、クレジットカードや銀行口座と連動させたりできるタイプがあるため、手軽に家計簿がつけられます。
クレジットカードを利用する
クレジットカードを利用している場合、手間をかけずに出費を管理することが可能です。クレジットカードを使って購入した商品やサービスは、そのすべてが明細に細かく記録されます。普段のお買い物はもちろん、家賃や光熱費といった固定費の支払いなどもすべてクレジットカードで払うようまとめれば、支出が把握しやすくなります。
例えば、三井住友カードの「Vpassアプリ」では、カードの利用状況やポイント残高がいつでも確認できます。さらに、VpassアプリとMoneytreeを連携することで、毎月の収支を確認できる家計管理機能を搭載。クレジットカードも銀行も、ポイントも電子マネーも、これひとつで管理することができます。支出の状況は一目で分かるようになるでしょう。
支出を減らすには固定費を見直す
節約は簡単にできることから始めていくことが大切です。無理にすべての要素を切り詰めようとするとストレスが溜まり、かえって無駄遣いしてしまうことも少なくありません。まずは、一度減らすと節約効果が続く、固定費の見直しから始めるといいでしょう。
家賃は簡単に下げることが難しいため、これから引越しを考えている人は慎重に物件を選びましょう。なお、1人暮らしの家賃は、手取り収入の30%以内が目安とされています。
電気代やガス代に関しては、供給会社や料金プランが自由に選べるようになっています。電気とガスがセットで料金が安くなるプランもありますから、探してみましょう。
利用していないのに支払っている有料アプリやジムの月会費、定期購入しているサプリメント、ウォーターサーバーの水なども、必要性を考えてみてください。また、スマートフォンは、格安SIMの利用で基本料金を下げられる場合があります。
1人暮らしで食費を節約するには?
生活費の中で意外と大きな割合を占めるのが食費です。「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」でも、食料にかける費用は約3万5,000円と決して少ない額ではありません。ただし、割合が大きいだけに、節約で効果が出やすいのも食費です。
食費を抑えるポイントはやはり自炊ですが、これまであまり料理をしてこなかった人にはハードルが高いかもしれません。ここでは、自炊で食費を節約するコツをご紹介しましょう。
自炊で食費を節約するコツ
- 食材は数日に一度まとめ買いする
- 旬の野菜や冷凍保存を活用する
- 作り置きする
食材は数日に一度まとめ買いする
まずは、自炊にあてる食費を決めましょう。食費を月に2万円にしたいなら、1週間あたり約4,000円です。
毎日お買い物に行くと、余計な物を買ってしまいがちですから、週に1~2回、予算内でまとめ買いをすることがおすすめです。できるだけ日持ちする根菜や缶詰のほか、汎用性の高い卵や乾麺などを選ぶと良いでしょう。自炊初心者の場合は、家にある物でレシピを考えるのは難しいため、事前に献立を考えてから買う物をメモするといいでしょう。
旬の野菜や冷凍保存を活用する
旬の野菜は栄養価が高くて安いです。安くてほかの食材と合わせやすく、料理にも使いやすい、コストパフォーマンスに優れた食材を積極的に利用しましょう。野菜なら芋類、キャベツなどがおすすめです。
野菜の多くは冷凍保存が可能なため、旬の時期にまとめ買いして、冷凍保存を活用してください。葉物野菜やタマネギ、ピーマン、きのこなどは、使いやすい大きさに切ってそのまま冷凍すると、調理の手間が省けて便利です。肉や魚も特売日にまとめ買いして冷凍可能ですし、意外なところでは納豆やチーズも冷凍保存が可能です。できるだけ空気にふれさせないように、保存袋に入れたりラップに包んだりして冷凍しましょう。
冷凍に適さない食材として挙げられるのは、きゅうりや芋類など、水分と繊維質が多い物です。解凍したときに食感が変わってしまうことがあるため注意しましょう。
作り置きする
疲れて帰ってきた日など、自炊が面倒になることもあるでしょう。たまには外食をしたり、お惣菜やお弁当を買って食べたりするのも息抜きにはいいですが、積み重なると食費が上がりますし、買いだめした食材が無駄になってしまいます。
食費を節約するためには、休日や平日の余裕のあるときに、作り置きしておくといいでしょう。しっかり加熱し、味付けを濃くしたり、酢を使ったりすると日持ちしやすくなります。また、作り置き用の日持ちがするレシピが掲載された本やウェブサイトはたくさんありますから、活用してみてください。作り置きすることで毎日自炊する必要がありませんし、お弁当に詰めて持っていくことも可能です。
1人暮らしで光熱費を節約するには?
光熱費は毎月かかる固定費ですが、使い方次第で料金を減らすことができます。
e-Statで家計調査のデータベースを見てみると、1人暮らしの光熱・水道の費用は約1万円となっていました。これは全国平均のため、地域や季節によっても変動はあるでしょう。
では、光熱費はどうしたら節約できるのでしょうか?
光熱費を節約するコツ
- 電子レンジを積極的に活用する
- ご飯は冷凍保存する
- 新しい家電製品で電気代節約
- 洗濯はまとめ洗い
- 冷蔵庫の設定と設置場所を見直す
- エアコンの設定温度と運転方法を見直す
- お風呂の入り方を工夫する
電子レンジを積極的に活用する
自炊といえばガスコンロでの調理を思い浮かべますが、長時間煮込む場合は、意外とガス代がかかってしまいます。調理には電子レンジも積極的に活用しましょう。具体的には、少量で短時間の調理なら電子レンジ、大量で長時間の調理であればガスコンロのほうが節約できます。電子レンジのほうが短時間で調理できる場合が多いため、火のとおりにくい根菜などの下ごしらえは電子レンジを利用、煮込み料理はガスコンロを利用するなど、使い分けるのがおすすめです。
また、長時間ガスコンロを使用するなら、できるだけ中火以下にすることでガス代を節約することができます。中火は、鍋やフライパンを火にかけたとき、底に火の先がふれる程度の火力です。なお、まったく火がふれなければ弱火、底に火が広がっている状態が強火です。
ご飯は冷凍保存する
炊飯器で炊いたご飯を保温すると便利ですが、保温機能を使っているあいだは電力を消費します。また、保温時間が長くなると風味が損なわれてしまいます。電気代を節約するためにもご飯は多めに炊いて、1食分ずつ冷凍保存するように心掛けましょう。
冷凍保存用の容器やラップでまとめて保管して電子レンジで解凍すれば、毎回炊き立てのようなおいしさが味わえます。
新しい家電製品で電気代節約
古い家電製品は消費電力が高く、電気代がかさんでしまいます。できるだけ新しい家電製品を利用することをおすすめします。新しい家電製品に買い替えるためのコストはかかりますが、最新の家電は消費電力が低く、年間数万円単位で電気代を節約できるため、長期的にはメリットが大きくなります。
長く使っている家電製品の調子が悪いといったことがあれば、だましだまし使うより、思いきって買い替えてみてもいいでしょう。
洗濯はまとめ洗い
洗濯は毎日行わず、数日間分をまとめて洗うことをおすすめします。洗濯機で効率がいいのは、ぎゅうぎゅうに詰めた状態でも、少量で回す状態でもなく、7~8割程度で洗うことです。資源エネルギー庁によると、洗濯・脱水容量6kgの洗濯機に4割を入れて洗う場合と、8割を入れて洗う回数を半分にした場合の比較では、年間で電気代は5.88kWh、水道代は16.75m³の節約になるとされています。約4,510円の節約効果があり、家事の負担を軽減するうえでも効果があるでしょう。
また、洗濯機は自動的にすすぎを2回するものが多いですが、これを1回にすることで電気代と水道代が節約できます。すすぎ1回用の洗剤が販売されていますから、利用してみてください。
冷蔵庫の設定と設置場所を見直す
冷蔵庫は、温度調節をすることができます。設定温度が高いほど消費電力も高くなりますので、外気が涼しい春、秋、冬は、設定温度を下げておくと節約できます。
また、冷蔵庫を壁につけすぎず、放熱スペースを確保することも節約術のひとつです。扉の開閉回数を減らし、食品を詰め込みすぎないようにすることでも、電気代節約につながります。
エアコンの設定温度と運転方法を見直す
エアコンの設定温度や運転方法も、節約するうえでは重要です。環境省では、夏にエアコンの設定温度を1℃上げると約13%、冬の設定温度を1℃下げると約10%の消費電力削減になるとしています。
運転させるときも、節約のために「弱」にしがちですが、エアコンは設定温度になるまでが最も電力を消費します。弱だとなかなか設定温度にならず、かえって電気代がかかることも。「自動」を選んで、電気代を節約しましょう。
お風呂の入り方を工夫する
お風呂で体を洗う際、シャワーを出しっぱなしにせず、使用時間を短くすることで水道代やガス代を節約できます。また、湯船にお湯を溜める際は、心持ち少なめにするといいでしょう。1人暮らしで追い焚きを利用すると、かえってガス代がかかってしまうことがあるので、入る直前にお湯を溜めることをおすすめします。残り湯がもったいないと感じる場合は、洗濯の洗い水や掃除に使うなどしましょう。